隣の津川さん
ちょうど津川さんと向き合う格好になった。

「す、すみません、すっかり寝ちゃいました。」

口元をぬぐうと湿り気が・・・。

うわー・・・よだれもたらしちゃってましたか。

「いえいえ、こちらこそすみません。マッサージ機の魅力にはまって熟睡しちゃいましたよ。」

津川さんは頭をかきながら少し恥ずかしそうに言った。

「ところで、今何時ですか?」

「それが・・・。」

壁の鳩時計が、5回鳴いた。

「5時・・・。」

「うかつにも十分すぎるほど寝ちゃったみたいです。」

津川さんは立ち上がった。

「すみません、本田さん。結局黒い封筒の中身はなんて書いてあったんですか?」
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