隣の津川さん
「あの・・・まあ、とにかく僕は帰ります。」

津川さんが立ち上がった。

「あ、すみません。なんだかよくわからないことになっちゃって。」

「いえいえ、若い女性の部屋に入って、非常識でした。」

津川さんは誠実に頭を下げた。

「やだ、若いなんて、そんな。」

本田は手をぶんぶん横に振って否定した。

「本田さん。」

突然津川さんが本田の手を握った。

そして津川さんの胸のあたりにまで持ってきてこう言った。

「あなたは気づいていないのです。自分の魅力に。」



きゃ、きゃーーーーーーーっ!!!

そんな、そんな、そんなこと言ってくれるなんて、本田、感激であります!



ちょっと待て、本田。

落ち着け、落ち着け、落ち着くんだ。

これは願ってもないチャンスなんだぞ。

今、ここは本田の部屋。

誰も邪魔する奴なんていない。

このシチュエーション、二度と訪れることはないかもしれない。


さあ、本田。

勝負をかけるなら今だ!!!
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