隣の津川さん
「私、今までの私だったら、好きな人がいても無理かなって思うと、自分からさっさと逃げちゃっていたんです。でもね、今の私はそうじゃないんです。たとえ振られそうでも自分の思いは伝えなきゃ・・・そう思っています。」


本田は自分がどんな顔して話しているのか知りたかった。

好きな人の目の前だ、できれば少しでもきれいな顔であればいいのに。

そう思っていた。


津川さんはいつもの津川さんだった。

やさしく微笑んで本田を見つめる。


「だから、今日は逃げないで言います。津川さん、私津川さんのことが好きです。」


い、い、い・・・言っちゃった!!!!

つ、ついに言ってしまった!!!


本田は全身の毛穴から蒸気が出ているのではと思うほど、恥ずかしくて火が出そうだった。

恥ずかしくて津川さんの顔が見られない。
< 74 / 131 >

この作品をシェア

pagetop