隣の津川さん
ぽっぽー、ぽっぽー、ぽっぽー・・・。

鳩時計が六回鳴った。



津川さんは息を深く吸った。

「本田さん、ありがとう。そんなふうに言ってもらって、僕、すごく嬉しいですよ。こんなかわいい女性に。」

津川さんはそう言うと、本田を抱きしめた。



え、え、え、え、えーーーーーーーっ!!!!!


今、何が起こってるの???


本田は自分に何が起こっているのかわからなかった。


でも確かに聞こえるのは津川さんの胸の鼓動。

そして津川さんの匂い。

あの日、庄司さんに腹を蹴られて気絶した日、寝かされていたベッドで胸いっぱいに吸い込んだ津川さんの匂い。

あー、これだ、この感覚。

これが幸せの感覚だ、きっと。

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