隣の津川さん
「じゃ、コロッケと、あとなんにする?ハムカツ?」
宮田のばあさんは、本田の好みをよく覚えていた。
本田、軽く感激する。
「そうだね、2こずつでお願い。」
そうだ、津川さんに食べさせてあげよう。
津川さん、たぶんここのコロッケ食べたことないはず。
お土産に買っていったら絶対喜んでくれるはず。
「2こずつって?」
宮田のばあさんの手が止まった。
「へ?」
二人の視線は合ったまま、むずかゆい沈黙が数秒。
「先生、恋人できたのかい?」
ばあさんは商店街じゅうに聞こえるような大声で叫んだ。
買い物客らが一斉にこちらを向いた。
「ちょっと、おばちゃん!」
本田は人差し指を口元で立てて「しーっ」と宮田のばあさんを静めようとしたが、焼け石に水だった。
「だから言ったじゃないか。剛!あんたがちゃんと先生をデートに誘わないから、こういうことになるんだよ。」
剛・・・宮田の息子は禿げ上がった頭のてっぺんまで真っ赤になって、「母ちゃんやめてくれよ」と母親をなだめている。
宮田のばあさんは、本田の好みをよく覚えていた。
本田、軽く感激する。
「そうだね、2こずつでお願い。」
そうだ、津川さんに食べさせてあげよう。
津川さん、たぶんここのコロッケ食べたことないはず。
お土産に買っていったら絶対喜んでくれるはず。
「2こずつって?」
宮田のばあさんの手が止まった。
「へ?」
二人の視線は合ったまま、むずかゆい沈黙が数秒。
「先生、恋人できたのかい?」
ばあさんは商店街じゅうに聞こえるような大声で叫んだ。
買い物客らが一斉にこちらを向いた。
「ちょっと、おばちゃん!」
本田は人差し指を口元で立てて「しーっ」と宮田のばあさんを静めようとしたが、焼け石に水だった。
「だから言ったじゃないか。剛!あんたがちゃんと先生をデートに誘わないから、こういうことになるんだよ。」
剛・・・宮田の息子は禿げ上がった頭のてっぺんまで真っ赤になって、「母ちゃんやめてくれよ」と母親をなだめている。