隣の津川さん
「津川さんとはどこまでの関係なの?」

葛巻さんは眼光鋭く切り込んできた。

さっきまでは発情したメス牛かと思っていたが、この目は獲物を絶対に逃がさないハゲタカのまなざしか・・・?

「いや、あの・・・その・・・。」

本田は完璧にひるんでいた。

こんなことをストレートに聞かれたのは本田の人生で初めてのことだったから。

「あー、まどろっこしい!!!」

葛巻さんは自分の頭をかきむしった。

「津川さんとはどこまでしたの?A?B?C?」

ちょっと・・・ABCって、あんた沖田ヒロユキじゃないんだから。

ABCって死語でしょ、死語!

本田は蛇に睨まれたカエルそのものだった。

ABCのどれかを口にしなければ、逃げられない。

あー、神様・・・。
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