隣の津川さん
「あの・・・。」

本田が言いかけたとき、パラララパラララ~と暴走族の一団が近くの幹線道路を通り抜けた。

彼らが活動するにはまだ早い時間なのに・・・。

葛巻さんは耳に手を添えて、首をかしげる。

「聞こえないって!」

仕方がない。

本田は葛巻さんの耳元でごにょごにょ言う。

葛巻さん、本田の言葉を一語一句聞き漏らすまいと、生唾をごくりと飲み込んだ。

そして・・・。



「えーーーーーーーーーっ?!信じられない。」



葛巻さんはそう叫んだ後、けらけら笑いながら管理人室に戻ってしまった。
< 89 / 131 >

この作品をシェア

pagetop