隣の津川さん
「宮田の奥さん、がっかりするにはまだ早いかもよ。」

葛巻さんがにやりと笑った。

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ。葛巻さん!」

宮田のばあさんと葛巻さんがスクラムを組んだら、想像以上の力を出すだろう。

1+1=5くらいにはなりそうだ。

「宮田さん、実はね。本田さん失恋したかもしれないのよ。」

葛巻さん嬉しそうに、手をぱたぱた振る。

「本当に?」

宮田のばあさんが顔を上げた。

「ってことは、剛にもまだ可能性が残ってるってことかね。」

「はっきりだめってことじゃないからね。可能性は残ってるって思うよ。」



ちょっと待てーーー!

目の前に本田がいるのに、本人の意思は無視して、ばあさん二人で話を進めるな!

好きか嫌いかと言われれば、宮田の息子はいい人だけど、付き合いたくないタイプだ。



「ねえ、本田さん。剛のことどう思う?」

宮田のばあさんが真剣な顔で本田に問いかける。

「そうよ、直接聞いたら早いわ!」

葛巻さん、調子に乗って、宮田のばあさんにけしかける。

「・・・え、急に言われても・・・。」

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