音〜聴覚を失った女の子の物語〜
診察室を飛び出すと、そのまま外へ走り出した。



私はどこに向かってるんだろう?



どのくらい走り続けたんだろう。
足が動かなくなりそう。吐きそう。

行く手には信号機。

止まれの合図。 赤。赤。赤。



はぁ……はぁ……はぁ。

息切れをして肩が大きく上下する。




自分の息切れの音なんか一つ聞こえないんだけどね。






なんでこうなっちゃったんだろう。



こんなところでなにしてるんだろ………

馬鹿らしくなってきた。





戻ろうかな………。心配してるはず。
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