【完】私なりの愛のカタチ。




寂しくて悲しいまま圭ちゃんの時間が
止まってしまっていたことを
思い出しちゃったんだろうか。



「…大丈夫。圭ちゃんの明日も
私の明日も頼んでないのに勝手に来るから。
来てほしくなくても来ちゃうから。
時間は止まらないよ。それに、
私が圭ちゃんの時間を止めないから」


「愛、ありがとう
俺、まだ無意識に…」


「大丈夫!私苦しくないから。
お姉ちゃんの事思い出してあげてね。
忘れられちゃったらお姉ちゃん可哀想だもん!
私より……っ!あ、…ううん!なんでもない」



『私よりお姉ちゃんを想っていいから』



そう言いそうになった。

そんな事私が一番望んでないことなのに。



「もう、愛こそ無理すんなよ?」


「うん…大丈夫!こう見えて強いんだよ私!」



嘘だ。
全然強くなんてないじゃん。


本当はすっごく寂しくて、
付いて行きたいくせに。


本当はそばにいてほしいくせに。


本当は私だけを見てほしいくせに。



私だけを愛してほしいくせに。



プライドが邪魔をする。



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