龍皇〜Light and Darkness〜





はぁ…




終わった…




「蘭子!」






そう叫ばれたかと思うと




フワッ




温かい腕に包まれる




「お前、無茶しすぎなんだよ」




そう言って体を離して私の手を握る




「ケガさせてごめんな。俺が強くないから」




まるで柊じゃないような弱い声




「柊あのね、この傷は柊のせいじゃない。柊は十分守ってくれたよ?だから柊が弱いんじゃないの」




柊と目を合わせて言う




「それにね、柊が私を守ってくれるみたいに私も柊を守りたいの。だって大事な人だから。私に光をくれたから。だから、柊…。私にも守らせてよ」




私がそう言うとフッと笑って




「そう言ってくれてありがとな。言ってもらえるのは何か嬉しいな」




そう言って照れたように笑ったんだ








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