窓際の王子
ある教室から音がした。
なんだこの部屋。
《図書準備室》
は?こんなところに?
でも音は確かにここからした。
ドアノブに手をかけ、回す。
ガチャ
鍵が壊れているらしく、あっさりとドアが開く。
中は薄暗い。あまり広くない部屋に、本棚がぎっしりと詰められたように並んでいる。
埃と、古い書物の匂い。
本棚と本棚の間をギリギリで通り抜ける。
するとそこには
またスペースがあり、日が入って来ている。
本棚で光が遮られて暗かった場所から急に明るいところに来て、目が慣れない。