窓際の王子
その顔を見て俺ははっとした。
こいつ!
南中の笹山じゃねーか!!!
隼斗は、中学のころから噂の人だった。
女子とも仲が良かった俺は、よく隼斗の話を聞かされていた。
そんな有名人だとは知らずに、まっきーは話を続ける。
「俺ら道に迷っちゃって。どーすれば街の方に行けますか?」
笹山は少し驚いたような顔をして、
「あー、この辺ちょっと分かりにくいんで一緒に行きます。」
と、意外にも親切なことを言った。
まっきーは喜んでいたが、俺はこの偶然の出会いに驚くばかりだった。