窓際の王子
俺とまっきーは、自転車を押して笹山と並んでなにもない道を歩いた。
「いや、ほんとすんません。ありがとうございます。」
「いや、散歩のついでなんで、大丈夫です。」
茶髪の髪をセットしている笹山は、もっとちゃらけた奴だと思った。
けれど、親切で良い人そうな雰囲気。
ああ、なんでこいつがモテるのか、男の俺でも分かる気がする。
結局、俺は笹山と一言も会話をしなかった。
気づけば大通りに出ていて
「ここを左にずっと行けば、街のほうですよ。」
「ほんとうにありがとうございました!」
「いえいえ。では。」
そう言って笹山は元来た道を戻っていった。