窓際の王子
まぁ、出会っていたと言っても、
会話はしていないし、夜だったから顔もよく見えていなかったと思う。
けど、入学式で隼斗を見つけたときは驚いた。
城清高校は、幅広くいろいろな学校から推薦や一般をとっているから、学力は個人差がかなりある。
俺も実はバスケのスポーツ推薦でここへ来た。
隼斗は一般らしいが、この学校で、しかも同じクラスだなんてな。
「……おー。………高尾!」
「んが!」
頭に衝撃と痛みが走る。
クラス中がこっちを見て笑う。
俺はどうやら、先生に小突かれたらしい。
「高尾、何ぼーっとしてんだ。当たってるぞ。」