窓際の王子
第2章
楽な関係
矢神優side
あれから、1ヶ月経った。
あれというのは、あたしが笹山隼斗と出会ってからだ。
図書準備室はあたしだけの場所だったのに、あいつもサボりにくるようになった。
けれど、どこかでそれを楽しみにしている自分もいて、
ああ、今まで1人に慣れすぎていたんだな
なんてしみじみ思ったりする。
今日だってほら。
「先輩さぼりすぎっすね。」
そんな嫌味をさらっと言いながら、彼はあたしの正面に来た。