窓際の王子
「なんだっていいだろ」
そう言って席に戻る俺に、高尾はめげずついて来る。
「なぁ、俺にも言えないのか?こんなこと言うの気持ち悪いかもしんないけどさ、隼斗が危ないことやってんじゃないかって…心配なんだよ…」
そう言う高尾の目は、本気っぽかった。
こいつは正直、頭が悪い。
だからきっと純粋に、俺が心配で仕方ないんだなと思った。
ああ、友達ってこういうことか。
高尾は俺の横で神妙な顔をしている。