ぼくの空きみの声
階段を降りていると休み時間で騒ぐたくさんの生徒。
その波をかきわけて教室に入る。途端、
「奈々」
呼ばれる名前。
振り返るとこのクラスで唯一の友達がいた。
別にいじめられているわけではない。ただこの協調性のない性格がいけない。
まぁ、それをわかっていて直さないわたしもわたしなんだけど。
「舞、なに?」
彼女がわたしにサボった理由を尋ねることはない、目が腫れている理由も。それをわたしは理解していた。
「はい、これ。」