ぼくの空きみの声
手渡されたものはパックのレモンティー。
「これ、あいつから?」
確信を持ちながら聞く。
「そ。奈々に渡しといてってさ。」
「…ありがと」
彼は決まってわたしにレモンティーを贈る。わたしをふった翌日に。
「しっかしマメだね、彼」
ちょっと苦笑いしてから「そだね。」
孝介からもらったレモンティーを飲みながら残っている授業を受ける。
ちょっと気を抜きがちな保健の授業中、昨日を思い出した。