神様のいたずら
「お前・・・本当は、ここのセカイのものじゃないんだろ?」

「・・・そ、そんなこと・・・あるわけないじゃないですか・・・。わたしは、普通のにんげ・・・。」

「それは、心の底から言えることなのか?」

「・・・。」

つぐみは、目を見開いて背筋を伸ばす。

「・・・。」

つぐみは、息を震わせた。

「・・・わたしは、あなたの言う通り・・・人間じゃありません・・・でも、わたしは本当にずっと桜井さんのお姉さん・・・佐倉杏子さんに会いたかったんです・・・。」

「・・・。」

「・・・あなたは、不思議な人ですね・・・どうして、わたしが人間じゃないって気付いたんですか・・・?」

つぐみは、眉を寄せて笑みを浮かべて神乃を見る。

「僕は、神様だからな。すぐに、分かるんだよ。」

神乃は、目を閉じてつぶやく。

「・・・神・・・様・・・。」

「別に、信じなくていい・・・ただ、僕は今、本当のことを話しただけだからな。」
< 105 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop