神様のいたずら
「・・・そ、そんなこと言ったって、わたしと仲がいい人なんていないし、失礼でしょ・・・?」

お姉ちゃんは、胸の前で拳を握る。

「そ、それはそうだけど・・・だからね、つまりわたしが言いたいのは、お姉ちゃんはそうやって笑顔を見せることができるんだから、その笑顔を忘れずに、もっと人と関わって、今の会話みたいなのができたらわたしは、 嬉しいな・・・なんて・・・。」

わたしは、少し唇を尖らせながらつぶやく。

「チョコちゃん・・・。」

お姉ちゃんは、わたしを見つめる。

「ありがとう、チョコちゃん。わたし、チョコちゃんの今の言葉を忘れないように頑張ってみるよ。だけど、まだ不安だから最初は、すがさんとか、霊界堂さんに慣れていこうと思うわ。あと・・・九条くん・・・とかね。」

そう言って、お姉ちゃんはニコッと微笑んだ。

「うん、お姉ちゃんのペースでいいと思うよ。それじゃあ、わたし出掛けてくるから。」

「うん、いってらっしゃい。頑張ってね、デート。」

お姉ちゃんは、笑顔で手を振る。

「だから、デートじゃないってば。」

わたしは、小さく叫ぶ。

「まったく・・・いこ、九条くん。」

わたしは、少しあきれてため息をつきながら九条くんの腕を組ながら歩きだす。
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