神様のいたずら
九条くんは、頬をかきながら黙りこむ。

「美久さんって・・・あれだよね・・・九条くんのこと、好きな女の子・・・。」

「うん・・・まあな・・・。でも、二人でここに来たわけじゃないって言うかさ・・・別に、チョコが気にすることじゃないよ・・・。」

九条くんは、小さくつぶやく。

「気に・・・するよ・・・。」

「え?」

「・・・だって、わたしも九条くんのこと好きだし・・・わたしの知らない九条くんのこと好きな女の子の話を九条くんの口から聞くなんて辛いし・・・それに、一緒に遊園地に行こうって誘われて嬉しかったし、わたしの人生で始めてのデートだから楽しみにしてたのにわたし・・・。」

わたしは、そう言ってぎゅっと拳を握る。

「・・・。」

神乃は、そんなチョコを見つめる。

恋って何なのかな・・・。

これが、デートなんて勘違いしてるのかもしれない・・・。

わたしって、バカだわ・・・大バカよ・・・。

「・・・チョコ。」

神乃は、チョコの肩に手を置く。
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