神様のいたずら
「そして、自分の気持ちもずっとわからないままだ・・・。僕は、神様だ・・・だから、人間のことを理解できると思ってた・・・でも、そうじゃなかった・・・結局、僕には何も分からずじまいでチョコの気持ちも美久の気持ちも全然、分からない・・・。」

「・・・。」

わたしは、胸に拳をあてて九条くんの話を聞く。 

「だけど・・・だけど、チョコが今、僕に好きって言ってくれたように僕もちゃんと、チョコに対してちゃんと自分の気持ちもチョコに伝えたい・・・伝えたいと思っている。」

「九条くん・・・。」

わたしは、涙をふく。

ん・・・?

わたしは、涙をふくと固まる。

「九条くん。」

「ん?」

「わたし、今さっき・・・九条くんになんて言ったけ・・・?」

「・・・だって、わたしも九条くんのこと好きだしって・・・。」

九条くんは、顔を赤くして頬をかきながらそっぽを向いてつぶやく。

「・・・。」

わたしは、背筋を伸ばして顔を赤く染め始めた。
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