神様のいたずら
「・・・。」

少年は、わたしに顔を近付ける。

「まさか、お前・・・。」

「うっ・・・。」

わたしは、顔を引く。

「熱でもあるのか?」

「・・・ない、ないわよ。そ、それより、わたし、急いでるのっ・・・。学校、遅れるの!!」

わたしは、少年に背を向ける。

「待て。」

「待てない、てか、待たない。」

「待てって。」

少年は、わたしの手をつかむ。

「・・・っ。」

わたしは、不意に振り返って少年を見る。

「は、離してよ。」

「離さない。」

「な、なんで・・・。」

「名前を聞いてないから。」

「はあ?」

わたしは、眉を上げる。
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