神様のいたずら
わたしは、ちらりと美久さんを見ると拳を握って息を飲んだ。

「・・・その・・・美久さんは、怒ってないんですか?」

「怒る・・・?何を?」

「・・・九条くんは、どこの誰か分からないわたしとデートしてるんですよ・・・?美久さんは、そんなわたしを見て、何も想わないんですか?」

「ん~・・・。」

美久は、あごに手を当てて目を閉じながら唸る。

「別に、怒らないよ。」

「え?」

「わたしは、九条くんのこと好きだけど、わたしと付き合ってるわけじゃないし、それに神様だしね。独り占めできないよ・・・。」

「・・・。」

わたしは、美久さんを見つめる。

「でも、九条くんを好きって気持ちは誰にもま負けない・・・。チョコちゃんにだって負けない自信あるんだから。」

そう言って美久さんは、真剣な顔でわたしを見る。

「・・・。」 

わたしは、そんな美久さんをぼおぜんと見つめるだけだった。
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