神様のいたずら
「お前の名前を教えろ。」

少年は、真面目な顔でわたしを見つめる。

「・・・わたしの・・・名前・・・は・・・。」

わたしは、うつむいたまま声をだす。

「名前は・・・桜井・・・千代子・・・。」

「千代子か・・・。」

少年は、つぶやく。

「・・・。」

わたしは、黙りこむ。

すると、少年はわたしの頭に手をおいた。

「え・・・?」

わたしは、少年を見上げる。

「可愛い名前だ。」

そう言って、少年は、誇らしげに笑うとわたしの頭をなではじめた。
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