神様のいたずら
   第1話「出会い」

4月1日。

「うーん・・・。朝だぁー。」

少女は、ベランダに出るとぐっと伸びをする。

はじめまして、みなさん、わたし桜井千代子です。

わたしは、3月31日つまり、きのうからですが、自然があふれるこの普通のアパートで一人暮らしをはじめました。

「よし、朝ごはんだ。」

わたしは、キッチンに向かう。

わたしは、朝が大好き。

窓から差し出す光が好き。

ほんのり香る木の匂いが好き。

朝の霧が好き。




ガチャッ。

千代子の家の玄関のドアが開かれた。

「お、お腹すいたよー・・・。」

女は、お腹を押さえて小声で叫ぶように言う。

「・・・。」

だが、返事は何も返ってこない。

「ちよ・・・こ~・・・。」

女は、床にそのまま倒れこむと床にへばりついてキッチンへと進んだ。

「ごはん・・・ごはんー・・・。」



トントントントントン。

台所に、まな板をたたく音が鳴り響く。

「フフン♪ラララ~ン♪」

千代子は、鼻歌をしながら腰を振る。

「あとは、これを電子レンジでチンと。」

「ちよこー・・・。」

「うわあ!?」

千代子は、びっくりして背筋をのばした。

「お、お姉ちゃん・・・。」

千代子は、床にへばりつく姉を見つめる。

「ごはん・・・。」

「もう、びっくりさせないでよ。て言うか、インターホンくらいおしてよ。」

わたしは、腰に手をあてる。

「ごめん・・・。それより、ごはん・・・。」

「はあー・・・。しょうがないな。」

これが、わたしのいつもの朝です。
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