神様のいたずら
九条くんは、わたしを見る。

「あいつって、誰なの・・・?」

「・・・。」

九条くんは、口をきゅっと閉じると手を後ろに回してわたしの前まで歩いて来ると背中を向けてこう言った。

「僕のことを好きでいてくれる女の子だよ。」

九条くんは、空を見上げてつぶやいた。

「九条くんは、その人のこと・・・好きなの・・・?」

「・・・。」

九条くんは、少し黙りこんだ。

「九条くん・・・?」

わたしは、九条くんの様子を伺う。

「分からないんだ・・・。」

「え?」

わたしは、首を傾げる。

「僕は、人間なんかじゃないから。」

九条くんは、胸の前で拳を握った。
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