神様のいたずら
「僕の言ったことを信じるのか・・・?」

九条くんは、小声で言う。

「当たり前じゃん、なんで?九条くんは、わたしに今、嘘をついたの?」

わたしは、笑いながら問いかける。

「いや・・・。」

九条くんは、眉を寄せてうつむいた。

「だったら、信じるしかないじゃない。」

「・・・。」

「だって、九条くんが、嘘ついてるようには見えないもん。それに、わたしが知りたかったことなんだもん。それを、否定したら、九条くんが、かわいそすぎるもん。」

「だったら、何で、泣いてるんだ・・・?」

九条くんは、わたしを見つめる。

「あれ・・・?」

わたしは、頬に触れる。

「ほんとだ・・・。」

わたしは、手で拭(ぬぐ)った涙を見てつぶやいた。
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