神様のいたずら
わたしは、ポロポロと流れ出す涙を拭く。

「わたし、変わりたいよ・・・九条くん・・・。」

「・・・。」

九条くんは、じっとわたしを見つめる。

「こんな自分・・・もう、嫌なんだ。」

誰かを傷つけるのは嫌・・・。

相手のことを信じられない自分が、嫌・・・。

「・・・。」

そんな千代子の心の声がしっかりと神乃には聞こえていた。

「それは、僕がすることじゃない。」

「え・・・?」

わたしは、九条くんを見る。

「・・・変わりたいと望むなら、変わればいいんだ・・・。」

九条くんは、そっぽを向いてつぶやく。

「・・・。」

わたしは、うつむいて黙りこむ。

「神に願わなくても叶うものは、自分で変えればいいんだ。」

「・・・。」

わたしは、再び九条くんを見た。

「人間は、いくらだって変わることはできるんだ。」
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