神様のいたずら
神乃は、そうつぶやくと千代子の頭に手を置いた。

「・・・九条くん・・・。」

「・・・チョコ・・・?」

神乃は、千代子を見る。

「大丈夫だよ。」

「え?」

「きっと、すぐに好きだって分かるときが来るからね・・・。」

「・・・。」

神乃は、ぼおぜんとした顔で千代子を見つめる。

「九条くんが言ってた、好きでいてくれる人だって、九条くんのことが好きだって気づいたから、九条くんのことが好きでいられるんだよ。きっと・・・。だからね、九条くんもいつか気付くはずだよ・・・。」

「・・・ああ、そうだな。」

神乃は、クスッと笑う。



「えっと、桜井・・・桜井・・・。」

神乃は、千代子をおんぶしながらアパートの中を探しまわる。

「桜井・・・。」
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