神様のいたずら
神乃は、顔を少しひきつって女を見る。

お盆がガダガタと震える。

「あ、あのっ。いいですよ、後は、僕が持ちますから。」

そう言って、神乃は立ち上がって女の元へ行く。

「すみません、ありがとうございます。わざわざ。」

神乃は、そう言って、女からお盆を取ろうとする。

「ひっ。」

女は、ビクッと肩を動かす。

「・・・あの・・・大丈夫ですか?」

神乃は、首を傾げて女の顔をのぞきこむ。

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

女は、神乃と目を合わせずにつぶやく。

「いや・・・あの・・・。」

「ひっ・・・ごめんなさい、ごめんなさい。」

「落ち着いて下さい。大丈夫ですから。」
< 54 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop