神様のいたずら
「お、覚えてないの・・・?チョコちゃん。」

「え?」

わたしは、ただぼおぜんと首を傾げる。

「チョコちゃんが、言ったんじゃない。」

「え?何を?」

「料理下手の天才だって・・・。」

「へ?」

わたしは、目を丸くした。




回想↓

「あー、だからそうじゃなくてこうするの。」

「ご、ごめんね。チョコちゃん。」

お姉ちゃんは、しょぼんとした顔でうつむく。

「お姉ちゃんには、料理、向いてないんじゃない?」

「そっ・・・そんなこと・・・ないわよ・・・。」

そして、またうつむく。

「お姉ちゃんは、料理下手の天才だね。」

ー料理下手の天才だね。天才だね。だね・・・。ー

わたしの頭の中で、その言葉が繰り返し聞こえる。

そして、だんだんその声は、小さくなってわたしの頭の中から消えていった。

「ご、ごめんっ・・・お姉ちゃん。」

わたしは、あわてて後ろに下がる。

「い、いいのよ、チョコちゃん。本当のことだから・・・。」

そう言って、お姉ちゃんは苦笑いをするとうつむいた。
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