神様のいたずら
「・・・。」

少女は、ビクッと肩を上げると小さく頭を下げてゆっくりと玄関をあがる。




「それで、先生。原稿のほうは、あがったんですかっ?」

須加原さんは、机をたたく。

「あの・・・えっと・・・すがさん、原稿のほうはまだ・・・。」

「やっぱりですか・・・。」

須加原さんは、肩を落とす。

「先生、やっぱりアシスタントさんを雇いましょうよ。」

「えっ、そんな・・・。アシスタントを雇えるほど、売れてないしお金もないから、アシスタントさんを雇う余裕がないです・・・。」

そう言って、お姉ちゃんは否定する。

須加原若葉(すがはらわかば)さん。

お姉ちゃんの担当編集さんです。

「そんなこと言ってる場合ですか?」

須加原さんは、怒り気味でお姉ちゃんに顔を近づける。

「ううっ・・・。」
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