神様のいたずら
「だったら、もっと自身を持ってください。」

そう言って、須加原さんはお姉ちゃんの肩に手を置く。

「はい・・・。」

「それじゃあ、またあとで来ますから。頑張って下さいね。」

須加原さんは、笑いながらそう言うと玄関に向かう。

「この前、言ったこと?」

わたしは、首をかしげながら須加原さんの背中を見つめる。

「ねぇ、お姉ちゃん。この前、言ったことって何?」

そう言って、わたしはお姉ちゃんを見る。

「うっ・・・。」

お姉ちゃんは、うつむいたまま肩をビクッと動かした。

「お姉ちゃん?」

「わたしね、チョコちゃん・・・。わたし、この前、すがさんに言ったの・・・。もっと人としゃべれるようになりたいって・・・。」

「・・・。」

わたしは、ぼおぜんとした顔になると目を見開いた。
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