神様のいたずら
九条くんは、頬をかきながら少しうつむいた。

「九条くん?」

わたしは、九条くんの顔をのぞきこむ。

「あ、いやっ・・・弟もいるんだ。」

九条くんは、はっとなると苦笑いでそう言う。

「へぇ~、弟さんもいるんだね。」

「うん、双子なんだ。」

「双子!?わぁ~!!似てるの?」

「うーん・・・そんなに似てはいないんじゃないかな?」

「そうなんだ。でも、なんで妹さんから逃げてきたの?」

わたしは、手を合わせて首を傾げる。

「あ、えっと、それは・・・妹の料理を食べたくなくて・・・。」

そう言って、九条くんは目をそらす。

「なんで?」

「それは、おいしくなくて・・・。」
< 93 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop