妖とわたしの時間
「やめろ、触るでないっ・・・。」

男の人は、少し顔を赤くして言った。

「あ、ごめんなさい。ついっ・・・。」

わたしは、少し縮こまる。

「人間よ、ここに閉じ込められてしまったようじゃな・・・。」

「あっ・・・はい。なんか、急に・・・。」

「すまぬかった・・・。」

そう言って、男の人はわたしに片足だけ膝まついた。

「え?」

「下の者が失礼なことをした・・・どうか、許してくれ・・・。」

「あ、いやいや、よく分かんないですけど大丈夫ですよっ・・・!!」

「本当にか?」

「は、はいっ!!」

わたしは、背筋を伸ばす。

「でわ、ここから出よう。」
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