妖とわたしの時間
男の人は、そうつぶやいた。

「はい・・・そうします。」

そして、男の人はゆっくりと肩から手を離した。

「あっ、あのっ・・・ほんとにありがとうございましたっ・・・。」

わたしは、頭を下げた。

「構わぬ・・・こちらこそ、すまぬかった・・・。」

わたしは、ゆっくりと顔を上げた。

「わあ・・・。」

わたしは、目を見開く。

あんまり、暗くてよく分からなかったけどほんとに耳と尻尾がある。

そして、妖狐みたい。

白銀の綺麗な髪・・・。

着物姿だ・・・それに、美しい顔立ち・・・。

「どうかしたのか?」

男の人は、首を傾げる。
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