Misaki-Forever
美咲は、ひとり教室を出て
昇降口まで来ていた。
美咲の下駄箱の3つ先が一斗の場所。
チョコとカードらしき物が置いてあった。
「ふぅ!!よくモテますこと」
そう呟いた横から一斗が顔を覗かせた。
「何か言った?」
美咲はビックリして悲鳴をあげた。
「キャー」
一斗はその悲鳴に驚いた。
「なんだよキャーって…こっちがビックリしたー」
美咲はムッとして靴を下駄箱から取り出した。
「何で先に行くんだよ一緒に帰るぞ」
靴を掴む美咲の腕を止めた。
「…」
「なに?シカト?」
美咲は俯き
「…だって、女の子の波が消えないから」
“美咲、怒ってる!?"
一斗は美咲の肩を抱き
「…ゴメン」
と小さな声で囁いた。
“一斗、何も持ってないじゃん"
「ってかチョコは?」
「教室…」
「持って帰らないの?」
美咲は一斗の顔を見上げ
ぎこちなく笑った
「んー後で少しずつね」
一斗は自分の頭をクシャッと触って美咲の顔を見た
「何で?せっかく女の子が勇気出して渡してるんだから!!
私が女の子の立場だったら悲しいよ、一回戻ろっ」
「あぁ、そうだな」