Misaki-Forever
美咲は、どうしても聞きたかった事を思い出した。
「あっ、そうだ!ひとつ聞きたいんだけど…私の名前、知ってたんだよね?」
「入学式の時にね…」
「入学式?」
美咲は不思議そうな顔で一斗を見上げた。
「そう入学式でさグラス毎に名前を呼ぶだろ?<藤ヶ谷美咲>って
それで名前を知ったんだ」
「あっ!!そうか、なるほどね」
「でも式よりもっと前
朝、登校する時から美咲を見てた」
「私を?」
「そう、あの日も雨が降っていて俺の前を歩く女の子は傘をクルクル廻して楽しそうに歩いてた
ポニーテールもゆらゆら揺れて可愛いなって」
「それから、ずっと気になってはいたけど話すきっかけも何も見つからなくて
クラスが違うと中々ね…」
“気になって…とか言われても、一斗には大事な人がいたし、一途だって奈緒も言ってた"