Misaki-Forever
一斗がマグカップを手にした時、ブレザーの袖口のボタンが揺れた。
「あっ!ブレザーのボタン!!
一斗、それ縫うから脱いで」
「おっ!さっき倒れた時かな……」
一斗はブレザーを脱ぎ美咲に渡した。
美咲は裁縫箱から針と糸を取りだし器用に縫い始めた。
「さすが女の子!上手だよな」
そんな声にふと顔をあげると、一斗の顔がすぐ目の前にあった。
ビックリした美咲は、その拍子に左の人指し指に針が刺さってしまった。
「イタッ」
チクリと痛みが走り右手で抑えると
「大丈夫か?」
そう言って一斗は美咲の指を手にとり数秒キスの治療をした。
「あ…ありがとう」
「もう大丈夫だからなっ」
一斗は美咲の頭をポンポンと置いた。
「うん…」
美咲は少し恥ずかしそうに俯いた。