Misaki-Forever

「あのさ、今日ね翔が、お昼誘ってくれた」

奈緒はティーカップをカタンと置き背もたれに身をまかせた。

「うん、知ってるよ、翔が言ってたから…
放課後、美咲と翔の噂で持ちきりだった」

奈緒はスカートをギュッと掴み目に涙を浮かべてた。

「奈緒?私は、ただ…」

「美咲は全然悪くないから」

奈緒の目からポロッと涙の滴がこぼれ落ちた。

「奈緒、私は変な感情とか一切ないから」

美咲は身を乗り出し奈緒の様子を伺った。

「わかってる、でも…翔は美咲のこと好きだから」


「えっ!?」

「気がつかなかった?」

「何?気がつかなかったって…」

奈緒は流れた涙を手で拭い立ち上がった。

「…ゴメン帰るね」

そんな言葉と同時に振り向き帰って行った。



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