Misaki-Forever

病室を出て再び一階のロビーに来た。


「お兄ちゃんは、いつも自分の事より私や家族の事ばかり心配しているんです
さっきも私が調子が悪いのに気付いて薬飲んだか?なんて…」

「うん、そうみたいだね」

「好きなバスケも何もかも出来なくなっても
家族だけは側に居てくれるからって…そんな事に満足して…心配かけたくないんだってわかるんです」

「そうか」

「…今日はありがとうございました」

綾音は初めて笑顔を見せた。

笑った顔は葵とよく似ていた。



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