Misaki-Forever
家に着いて時間を見ると9時を回っていた。
雨で濡れていた服を着替えることもせずに
美咲に電話をした。
<今日は先に帰ってごめんな>
<…うん>
美咲の声は、いつもと違う気がした。
<美咲?泣いてんのか?>
<…泣いてない>
<今から行こうか?>
<…もう寝るから>
<そうか、明日渡すものがあるから、朝、屋上に来て>
<わかった>
<遅くにゴメン、じゃあな>
<おやすみ>
電話を切ったあと鞄の中に入れておいた封筒を眺めた。
一斗は宛名を見つめ涙を流した。