Misaki-Forever

家に着いて時間を見ると9時を回っていた。


雨で濡れていた服を着替えることもせずに
美咲に電話をした。


<今日は先に帰ってごめんな>

<…うん>

美咲の声は、いつもと違う気がした。


<美咲?泣いてんのか?>

<…泣いてない>

<今から行こうか?>

<…もう寝るから>

<そうか、明日渡すものがあるから、朝、屋上に来て>

<わかった>

<遅くにゴメン、じゃあな>

<おやすみ>


電話を切ったあと鞄の中に入れておいた封筒を眺めた。

一斗は宛名を見つめ涙を流した。



< 231 / 297 >

この作品をシェア

pagetop