Misaki-Forever

美咲は早めに学校に到着したが屋上に来たときには
一斗はすでに待っていた。

美咲が来たことに気付くこともなく、一斗は、ずっと空を見上げたままだった。


「一斗!」

一斗は振り向き

「美咲、そこに座って」

美咲をベンチに座らせ
一斗も横に座り向き合った。


「昨日はごめん、葵の妹と病室に行ってた」

「えっ!?」

「葵に会ってきたよ」

「葵くんに?どういう事?」

「葵は長く生きられない」

「今、何て?」

「葵は癌なんだ、俺も昨日初めて知った」

美咲は身体に力が入らず
ただ震えた。

「…」

「これを預かってきた」

美咲は震える手で白い封筒を受けとり両肘を自分の手で交差させ支えた。

「美咲、大丈夫か?」

「葵くんが?癌…一斗、嘘でしょ?」

「本当だよ」

「なんで…」



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