Misaki-Forever

バス停のベンチには
綾音が座ったままだった。


一斗は道路を渡り綾音に近付いた。


よく見ると綾音は胸を抑えて少し苦しそうな表情で 呼吸を整えようとしていた。


「綾音ちゃん?」

「…先輩」

「大丈夫?」

綾音は下を向いたまま小さく頷いた。

一斗は綾音の背中を擦り
顔を覗かせた。

「病院行こうか?」

「いえ、少し休めば治ります」

綾音の顔色は青白く目も、しっかりと開けられないほど苦しそうだった。

「ここは空気悪いし暑いから、あそこで休もう」


一斗が指差した先には喫茶店があった。


一斗は店に連れて行きジュースを頼んだあと
綾音が制服だった為、店主に事情を説明した。



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