Misaki-Forever

「ありがとうございました」

「本当に病院行かなくて良いの?」

「はい、私遅刻しそうになって少し走っちゃって、そしたら苦しくなった…」

「無理しないで」

一斗は柔らかく笑った。


「先輩、学校を休んだの?」

綾音は不思議そうな顔で首を傾げた。

「うん、風邪ひいて…なんて今日はサボリ」

「外出して見つかったらマズイですよ」

あどけなさが残る綾音の顔。
その顔色は、いつのまにか普通に戻っていた。

「大丈夫…俺、転校するから」

「えっ!?遠くに引っ越すとか?」

綾音は目を丸くしてビックリした表情になった。

「うん、アメリカにね」

「アメリカって外国の…ですよね」

「アハハ!そうだよ、何でだろクラスの皆は知らないのに綾音ちゃんに言っちゃった」


「うふふ、何か嬉しいです」

そう言って綾音は笑った。

コロコロ変わる表情に一斗は

“美咲に似てるな"

と感じた。


「綾音ちゃん、も少ししたら学校行かないとね」

「はい」



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