Misaki-Forever

綾音は何かを吹っ切るように少し大きな声で

「なんか思いっきり走りたいよ」

「ダメだ我慢しろよ」


一斗は綾音の頭をくしゃっと撫でて笑った。



「きっと思いっきり走ったら気持ち良いんだろうね」

一斗は少し考えて綾音の手を取り立たせた。


「じゃ走るか?」


一斗は綾音の前で背をむけしゃがみこんだ。

「えっ!?」

綾音はビックリして一歩下がって一斗の様子を窺う。


「おんぶしてやるよ、今日は特別だからな、ほらっ」


綾音はゆっくり近づき一斗の背中に身を預けた。


「一斗…ありがとう」


「おっ!初めて名前呼ばれたな…じゃ行くぞ」




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