Misaki-Forever
会計を済ませ
自動ドアを出て
傘立てに目をやると
透明傘が数本と
黄色、紺色、オレンジ…
「えっ!?…あれ?」
美咲の傘が見当たらなかった。
“無いよ〜私の傘
確か、ここに置いたはず?"
美咲はガックリと肩を落としため息を吐いた。
高校生の美咲にとっては
値が張る傘だった。
家を出たときよりも
雨足が強くなってきて
美咲は地面に跳ね返る雨粒を眺め
その逆を辿って空を見上げた。
“走って帰るしかないな"
“フゥー"
小さく息を吸い込み気合いを入れて
店を一歩出た…