初恋はカフェ・ラテ色
私はエビフライにレモンをたっぷり絞ってかぶりついた。レモンをかけすぎてエビフライの美味しさよりも酸っぱさが口の中に広がる。その酸っぱさは私の片思いに似ている気がする。追いかけてもどうにもならないもどかしさ。そんな酸っぱい想い。

もう一度勇気を出して告白しようかな……でも、またダメだったらと思うと怖気づいて言えない。

「もうそろそろ他の男に目を向けてもいいんじゃない?」
「あかりっ!」

親友の考えにショックを受けて、瞳が潤んでくる。

「そんなのまだ考えられないよ。いい加減な気持ちで洋輔さんを好きになっているんじゃないから」
「だから傷つく前に気持ちを整理した方がいいって言ってるの」

あかりを慰めるつもりで来たのに、自分の恋愛に矛先が向けられ、こんなことならカフェに行けばよかったと後悔する。

返事が出来なくて、目の前のご飯とハンバーグを交互に頬張る。

「はっきり言えばいいじゃん。それでどっちに転ぼうがすっきりするよ」

黙々とご飯を口に運ぶ私の腕をあかりは触れる。


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